「保険」と「自費」 迷ったこと、ありませんか?
初診のとき、歯科医師に保険治療にしますか?それとも自費治療にしますか?と聞かれたり、アンケートや問診票に記入したりする場合に迷ったことはありませんか。
保険治療を希望すると『果たして十分な治療が受けられるのだろうか』と、不安になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
保険治療は、国が定めた材料と技術で最善の治療をします。
しかし、時には保険治療以外の材料と技術を用いる自費治療を提案することがあります。
患者様のお口の中の状況、生活環境や生活習慣などを考慮し、最適と思われる材料と技術を選ぶと、治療計画が保険の適用範囲を超えることがあるからです。
自費治療は、使用する材料も、かぶせ物や入れ歯などの製作方法もことなるので、保険治療に比べて費用は高くなります。
したがって、患者様は、歯科医師が治療計画を立てる際の考え方や治療法の説明を受け、十分に理解する必要があります。
また、経済的な状況なども考慮して、ご自身の希望をはっきりと伝えてください。
保険治療であれ、自費治療であれ、よりよい治療計画を立てるには、患者様と歯科医師との信頼関係に基づく円滑なコミュニケーションが重要です。
保険外治療とは?
保険治療と保険外治療の大きな違いは以下の3つです。
治療時間・回数
保険外治療では事前に患者様とご相談し、治療方法や期間、費用などをご納得して頂いた上で治療をはじめます。そのため、制限のある保険治療よりも時間も回数も多くかけ患者様にとって最善の治療をおこなうことができます。
材料・技術
保険内治療では治療方法や使用できる材料に制限があります。保険外治療では費用が高くなりますが審美性の高いもの、強度、機能性などで満足度の高いものを使用することが可能です。
費用
保険治療では健康保険証を提示することで治療費の支払いが3割で済みます。
治療内容が同じであれば費用も全国でほぼ同じになります。一方、保険外治療には負担軽減がなく、かかる費用は歯科医院によって大きく異なります。
治療例
(症例:軽度・中度のむし歯)
むし歯の部分を削り、つめものを作ってはめ込む治療法です。
●主な材料の種類(インレー)
(症例:重度のむし歯)
症例により詳細は様々ですが、重度のむし歯を大きく削り、型をとり作製した歯型をかぶせる治療法です。
大きく分け2種類あります。
●主な材料の種類(クラウン)
※お口の状態、体質、症状により状況が異なりますので、上記の内容および治療が全てではありません。
担当医師と十分にご相談下さい。
最後に
主に材料の説明をしていますが、歯科治療においては、どのような材料や技術を用いて行なっても、長年にわたって使用しているとお口の状況が変化します。
たとえば、歯を抜いた所の歯ぐきや顎は痩せてくるので、治療した部分が
合わなくなってしまうことがあります。
したがって、良い材料を使用したからといって、長持ちするとは限りませんし、痛みが出てこないとも限りません。
知らず知らずのうちに、体全体に悪影響を及ぼす恐れもあります。
ですから、患者様ご自身の日ごろのお手入れをはじめ、定期的な検診やメンテナンスが非常に重要になります。
このことは、自動車を例に考えれば、よく理解していただけると思います。
メンテナンスを怠れば故障が発生しやすくなりますし、自動車にも寿命があるように、治療した状態が永久につづくわけではありません。
そこで、定期健診を怠らず、ご自身でお口の異常を感じた場合には、すぐにかかりつけの歯科医師にご相談することをお薦めします。
こうしたアフターケアのことまでも含めて、保険治療か自費治療にするかを選ぶ必要がありますのでよくご検討下さい。
治療費は医療費控除の対象となります。
ですから治療を受けた際に受け取った領収書は大切に保管しておいて下さい。